今回取り上げるのは、神奈備本部迎撃編。仲間たちの想いや因縁が交錯し、シリーズ屈指のスケールで描かれる戦いが展開されていきます。
本記事では、カグラバチの斉廷戦争編のあらすじを、第113話以降の流れに沿ってわかりやすくまとめました。
カグラバチを追いかけてきた読者にとっても、これから読み始める方にとっても、神奈備本部迎撃編のあらすじは必見です。
それでは、カグラバチの斉廷戦争編のあらすじ(第113話~)をどうぞ♪
「カグラバチ」斉廷戦争編|あらすじ

113話「石」
海に現れた“島”と未知の鉱脈
今からおよそ二十年前。二月十八日、日本南東の海域に突如“巨大な島”が浮上した。
その三十四時間前には記録的地震が発生しており、本州との間に位置する杁島の地表には、未確認の鉱脈が露出していた。
その鉱石は玄力に反応し、膨大なエネルギーを生む特性を持つ。
やがて「雫天石」と名付けられ、国家の最重要資源として扱われるようになる。
雫天石と“小国”の影
それから二年後……。
日本屋敷に集う反社会勢力と妖術師たちの間で、雫天石が披露される。
小さな結晶ながら、町一つを消し得る力を秘めるというその石は、政府ですら扱い切れていなかった。
採掘の最中、妖術師は片腕を失う。その原因は政府ではなく、突如現れた“巨大な島”――通称“小国”から来た刺客だった。
小国は強力な結界に覆われ、二年間誰も侵入できていない。
内部は未知のままだが、人らしき存在の出入りが確認されている。
雫天石と小国は密接に関係している可能性が高い。
石を日本に渡さぬための牽制か、あるいは来るべき戦争への準備か……。
疑念は確信へと傾いていく。
柴登吾の介入と最悪の想定
その不穏な会話を断ち切るように、部屋のソファに突如として柴登吾が現れた。
警備の若い衆が刀を突きつける。
……が、柴は一瞬の動きで彼らを制圧する。
圧倒的な実力差を前に、妖術師は戦意を喪失した。
柴は「曽我家のお守り…政府の犬」と罵られながらも、冷徹に尋問を開始する。
遅れて現れた真城が止めるのも聞かず、柴は妖術師を踏みつけ、タバコの火を押し付けた。
柴の脳裏には、小国と雫天石の密接な関係が浮かんでいた。
奴らはまだ本格的な侵攻は見せていないが、採掘の邪魔をしながら虎視眈々と機会を伺っている。
最悪の事態、すなわち「戦争」に備えることこそが自分たちの仕事だと、柴は自らに言い聞かせていた。
刀鍛冶への寄り道と運命の提示
柴は神奈備本部へ連絡を入れ、任務完了を報告する。
しかし、本部からの返答は芳しくなかった。雫天石の研究アドバイザーとして柴が推薦した人物の採用が却下されたのだ。
本部は、素性の知れない刀鍛冶よりも選抜された科学者チームを優先するという。
「あいつより腕が立つ奴はおらん」と憤る柴だったが、電話を切ると不敵な笑みを浮かべた。
本部の指示を無視し、彼は密かに持ち出した雫天石を手に「寄り道」を決意する。
その行き先は、若き日の六平国重のもとであった。
火花が散る鍛冶場で、黙々と槌を振るう国重。この雫天石との出会いが、後の世を揺るがす「妖刀」誕生の引き金となる。
斉廷戦争という激動の時代が、ここから動き始めようとしていた。
114話「六平国重」
極秘研究「雫天石」と国家プロジェクト
東京近郊のとある研究施設では、日本でも屈指の科学者たちが集められ、ある極秘研究が続けられていた。
すべての始まりは、“小国”と呼ばれる存在の出現。
そこから発見された未知の鉱石”雫天石”の研究である。
この石は膨大なエネルギーを秘めているとされ、日本政府が国家プロジェクトとして扱うほど重要な物質だった。
しかし研究は思うように進まず、科学者たちの間でも決定的な突破口が見つからないまま停滞している。
そんな状況の中、妖術局の柴登吾はある人物を頼ることを決めた。
科学者でも研究者でもない…柴登吾が目を付けたのは、幼馴染である一人の刀鍛冶だった。
無名の刀匠、六平国重
柴と真城は、その刀鍛冶のもとへ向かっていた。
道中、柴は気楽に焼きそばを食べながら話を続ける。
研究が行き詰まっているため、幼馴染の刀鍛冶に石を見せるつもりだという…その名は六平国重。
世間ではほとんど知られていない無名の刀匠だった…だが柴によれば、その実力は本物だという。
六平は十二歳の頃から過酷な修行を受け続け、上手くいかないたびに物を投げつけられるような日々を送ってきた。
頭に何かが刺さっていたことすらあったというほど、苛烈な鍛錬だったらしい。
柴が以前真城に渡した刀も、実は六平が打ったものだった…使い心地は確かに良い。
真城は半信半疑のまま、その鍛冶屋へ向かう。
しかし柴は、金のない六平がすでに野垂れ死んでいる可能性すら軽く口にする。
そんな不安を抱えながら二人が辿り着いた工房は、驚くほど無防備な状態で扉が開いていた。
空腹の天才
工房の奥の鍛冶場で、真城は一人の男を見つける。
倒れているその姿は、一瞬本当に死んでいるように見えた…しかし男はすぐに目を覚ます。
六平国重は生きていた。
倒れていた理由は単純…空腹で気を失っていただけだったのである。
柴の持っていた焼きそばの匂いに激しく反応する六平。
まるで飢えた野犬のような様子だったが、柴は気にする様子もなく本題を切り出す。
見せたいものがあると言い、雫天石の入ったガラス容器を差し出した。
その直後、六平は何の躊躇もなく容器を地面に叩き割る。
突然の行動に真城は驚くが、六平は落ち着いて石を観察していた。
容器が壊れたことなどまったく問題ではないと言わんばかりの態度だった。
雫天石の本質を見抜く慧眼
六平は石を手に取り、わずかな時間でその特性を見抜く。
雫天石の内部には、極めて微弱に蠢く粒子が存在している。
さらにそれは、人の体内に流れる玄力に反応する性質を持つという。
もし直接玄力を流し込めば、その粒子が共鳴し暴発する可能性がある。
人体程度なら簡単に吹き飛ばすほどの爆発が起こり得る。
それはまさに、過去に起きた玄力事故を前提として科学者たちが導き出した理論と、ほぼ同じ内容だった。
しかも六平は、それをほんの一瞬の観察だけで言い当てたのである。
柴は得意げに語る…六平の「眼」は特別なのだと。
さらに六平は、火で徐々に熱すれば安全に反応を観察できることまで見抜いていた。
石の挙動を確認しながら、彼は興味深そうに研究を続ける。
この時点で、六平の洞察力が常識外れであることは明らかだった。
研究所へ向かう天才
柴は改めて頼み込む。
研究が止まっている今、東京に来てほしいと。
名声には興味を示さない六平だったが、食事を奢るという条件にはあっさり反応した。
空腹のままでは話にならないらしい。
結局その一言で、六平は研究所へ同行することを決める。
真城は戸惑いながらも、その圧倒的な洞察力を目の当たりにし、完全には否定できなかった。
柴は確信していた…この男が、何か大きな革命を起こすのではないかと。
もう一人の天才刀匠
その頃、雫天石の研究所では別の動きも起きていた。
妖術局の蓮見は柴と連絡が取れず、焦りを募らせていた。
そんな中、新たな刀鍛冶が研究所に現れる。
男の名は瓜田すば琉…刀社会において二千人以上の刀鍛冶が存在する中、国から作刀技術を認められ「人間国宝」と呼ばれる刀匠は歴史上わずか三人しかいない。
その一角に数えられる存在だった。
しかし本人は意外なことに、寿司屋を本業としている。
国家プロジェクトにも関わらず、早く終わらせて店に戻りたいと語るほど気楽な態度だった。
研究に行き詰まった国家は、科学者だけでなく最高峰の刀匠にまで助言を求める状況に追い込まれていた。
そして今、研究所には二人の天才刀鍛冶が関わろうとしている。
無名の天才・六平国重。
人間国宝・瓜田すば琉。
雫天石を巡る物語は、ここから大きく動き始める。






